マンションの床の張り替えリフォームは注意が必要!材料選びや費用相場について

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床材に汚れや傷が目立ってきたり、軋みが気になるようになったら張り替えのタイミングです。マンションの場合、床の張り替えの費用相場はどの程度なのでしょうか。また、マンションならではの注意点はあるのでしょうか。

今回は、そんなマンションの床の張り替えリフォームについて解説していきます。

マンションでの床張り替えリフォームの注意点

実は制約の多い、マンションの床の張り替えリフォーム。どのような注意点があるのでしょうか。

1. フローリングが使えないことも

フローリングは音を伝えやすい床材であり、集合住宅には適さないとされ、管理規約で禁止されている場合があります。

禁止事項であっても、適切な防音対策を講じることで許可が得られる場合もあるため、管理組合に確認するようにしましょう。

2. 遮音等級の確認が必要

遮音等級は、下の階にどれだけの音が伝わるかを示すものです。等級は数字が小さいほど高い遮音性があります。

管理規約で一定の等級が求められることが多いため、管理規約で指定された等級を満たすフローリングを選ぶようにしましょう。

3. 近隣への挨拶が必要な場合も

フローリングのリフォーム工事は大きな作業音が発生するため、近隣住民の許可が必要な場合があります。

管理規約で近隣住民の許可が必要とされているかを確認し、挨拶回りを行うことで理解を得やすくなります。

4. 構造別の注意点

マンションの構造によって、リフォームにおいて留意すべき点が異なります。 まず、「直床式」と呼ばれる工法の場合、費用を抑えられる「重ね貼り」による施工法ができません。「二重床式」と呼ばれる工法の場合は、重量床衝撃音が伝わりやすい点に注意が必要です。

マンションの床張り替えの費用相場

フローリングの張替え費用の相場は一般的に、「複合材」と呼ばれる木材で平米あたり約8,000円〜。「無垢材」と呼ばれる天然の木材であれば1平米あたり13,000円〜です。

ただしマンションの場合、基本的に遮音機能のついた複合材が求められ、平米あたり約16,000円〜が相場となります。

無垢材は遮音性がないため通常の方法では導入できず、遮音機能のついた複合材の上に重ねる形で施工する必要があるため、その分費用も上がります。

またフローリングの張り替えは、施工方法によっても費用に差があります。既存の床に重ねて貼る「重ね貼り」の場合、6畳あたり約70,000円が相場。一方、既存の床材を剥がして張替える場合は6畳あたり約100,000円が相場です。 ただし、構造が「直床式」と呼ばれる工法で作られている場合、重ね貼りの工法は使用できないため注意が必要です。

マンションでは床暖房を設置できる?

足元から暖めてくれる床暖房。寒い季節を乗り切るために取り入れたい方も多いことでしょう。そんな床暖房ですが、マンションでの設置はできるのでしょうか?

結論で言うと、物件によって設置できない場合があり、また可能であっても、追加の工事が必要な場合があります。

まず「温水式」と呼ばれる、熱源が給湯器である床暖房については、元々のマンションの構造によって設置できない場合があります。給湯器から床暖房用の配管を引かなければならないのですが、基本的にはもともと対応しているマンションでなければ、新規で設置するのは難しいと言えます。

また、電気容量とフローリングの適合性にも注意が必要です。マンションは一戸あたりの電気容量に上限があり、足りない場合は増設しなければ床暖房を使うことができません。物件によっては管理規約で増設ができないケースもあります。フローリングは遮音性の高い木材でなければならず、古いマンションの場合は張り替えが必要となる場合があります。 床暖房の設置費用は30万円から100万円程度が相場ですが、マンションで新しく導入する場合はこうした追加の工事が必要となる可能性もあります。

思っているよりもかかるかも!?マンションリフォームは予算に注意

マンションのリフォームは、施工できる範囲が限定的なだけに、戸建てよりも費用総額を抑えられるのが一般的です。ただし、施工箇所の内訳で言うと、マンションの方が割高になっているケースが少なくありません。マンションの規約によって、施工できる工事が限られていたり、防音など担保するべき機能が定められているのがその理由です。

実際に、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が2021年に実施した「住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査」によると、マンションリフォームと戸建てリフォームでは、平均予算と実際の費用の差に大きな違いが見られました。

◆戸建てリフォーム

平均予算277.4 万円に対し、実際にかかった平均費用349.7 万円。

⇒予算を26%オーバー

◆マンションリフォーム

平均予算238.4 万円に対し、実際にかかった平均費用329.7 万円。

⇒予算を38%オーバー

どちらも予算をオーバーしていますが、マンションリフォームの場合その差が顕著であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

床のリフォームでも基本的な料金は変わらないものの、床材などの制約があるため、やはり価格差が出ることが多いと言えます。

マンションリフォームは総額こそ抑えられますが、「思っていたより」高くなりがちなので、余裕を持った予算設計を心がけましょう。施工箇所が多くなる場合は、住宅ローンの活用なども視野に入れるのがおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか。マンションのリフォームでは規約などにより、戸建てとは異なる制約が多くあります。床の張り替えでも、使用できる床材が制限されていたり、構造によって使用できない施工方法もあるため、注意が必要なのです。

マンションリフォームではこうした制約の多さや専門性が求められることから、「リフォーム専門業者」に依頼されることが非常に多いのも特徴です。先の調査資料によると、実際にマンションリフォームを実施した方の半数以上がリフォーム専門業者に依頼。戸建ての場合と比べて20%弱も多く、マンションリフォームほど専門性が重視されていることがわかります。 ぜひ今回ご紹介した注意点や費用相場を踏まえ、信頼できる業者を探してみてください。

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